顧問の先生からのメッセージ

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顧問の先生からのメッセージ

安芸陸は永遠

三木 仁司

 令和5年8月27日、安芸陸は最後の戦いを終えた。最後までドラマチックな展開であった。

 翌日、私は『大樹』を1号から163号まで読み返した。朝8時頃から読み始め、全てを読み終えたのは夕方17時を過ぎていた。改めて、20年という時間の長さ、安芸陸への思いの深さを実感した一日であった。

 20年前の10月、陸上競技部通信第1号を書き始めるに当たり、題名は『大樹』しか浮かばなかった。「緑に囲まれた学校」「小さな苗木を植え、大きく育てていく活動方針」 「一人一人が広く根を張り、強く太い幹から広く美しく枝を広げていく育成方針」 「全国で存在感を示し、日本一を目指す競技目標」「勇壮な姿から発せられるメッセージ性」・・・

 安芸高校に赴任してからの半年間は、私自身が目指す姿と現実の乖離に葛藤する日々であった。しかし、陸上競技への情熱は失せることはなかった。『大樹』を書き始めたのは、私が、私自身に強い覚悟を示すためだったのかも知れない。

 『大樹』の号数が増えていく過程が、安芸陸の歴史となっていった。『大樹』の主人公たちは、いつも私の心を熱くさせてくれた。『大樹』を書きながら、さらなる情熱が沸々と湧き上がってくる日々だった。

 君たちと出会えたこと、ともに戦い、ともに成長できたこと、心から感謝したい。 ありがとう。 ありがとう。

 ともに歓喜し、ともに涙した時間・瞬間・・・ 永遠の宝物だ。

 安芸高校閉校に伴い、君たちがつないできてくれた安芸陸20年の歴史も幕を閉じることになった。安芸陸の戦いは過去のものになり、思い出として残っていく。しかし、安芸陸の魂は、私たちの心の中で永遠に生き続ける・・・

 『 前途多難 』卒業時に送った言葉だ。今現在、君たちは何をし、どのような生き方をしているのだろう? これからも、それぞれの人生には様々な状況が訪れるだろう。平穏なる時も、困難なる時も、常に未来を見据えて、今を生きていこう。

 心に抱く希望と言う名の苗木、その苗木をそれぞれの大樹へと育てていく人生を生きていこう。

安芸陸は永遠・・・